コカ コーラ

2月4日

先週末にはたのしいことがありすぎて、にこにこでした。遊んで下さった方々、また遊ぼうね☆
そんな週末の中でも特別にピカピカと光る1日の事をメモします。
金曜日、夕方の水道橋を一人、猛ダッシュして金井美恵子さんの講演会(於 アテネフランセ)に滑り込みました。本当に宝物のような夜でした。


この日は大きなサプライズがありました。金井さんが「ちょっと風邪気味なので」とおっしゃった後に、ゲストとして井口奈己監督が登場されたのです!うれしすぎて顔の筋肉が笑ったまま戻らないかと思いました。今、一番お話をきいてみたい大好きなお二人の登場!


「成瀬 溝口 小津 3人の映画に共通して出ている女優で使ってみたい人は誰?」という金井さんからの質問に「木暮実千代」と答える井口監督。わー、意外!わたしはみたことがないのですが『暁の合唱』という作品の木暮実千代がものすごーくかわいらしい女の子なのだそうです。絶対みたい、とタイトルを暗記。『お茶づけの味』で鯉にお麩やってたり、自分だけの女の子ルームみたいなところに閉じこもって煙草すってたりする木暮実千代が大好きなんだけど、ちょっとむくれたりする仕草がなんとなく女学生っぽいんだよなー。箱入りお嬢さん時代の気ままさと気楽さ(とユーウツ)をそのまま持ち続けている奥さんと言うか。そんな感じがなんとも不思議な魅力でした。(顔は女学生じゃないですね。カンロクあるビジン)固さがある人というか.....。その後、じゃあやっぱりこれよね、と『赤線地帯』の話題がでる。映画を観た方なら絶対に忘れられない、眼鏡をかけた子連れの木暮実千代とダメすぎる夫。「あの木暮実千代の顔、どうやって演出したんでしょう?」とおっしゃった井口監督に、大抵の女はそういう顔するんじゃないですか、演出いらず!と金井さん。場内に女性の笑い声が響きました。その語り口のリズムが本当に楽しい。


『マリヤのお雪』などでのカメラの実験性をあげられた井口監督に、昔は年に3本とかのペースで作品をとれたから実験もしやすかったし、割と気楽な面があったんじゃないか?と金井さん。その流れから、井口監督の今回の作品のエピソードに。現場の技術スタッフに「天然」って思われていたみたいです、と悲しいエピソードを話されていた監督。心の中で「わたしたちファンはいるからなー!」と僭越ながら届かない声援を送ってしまいました。(エスパーで伝われー)やっぱりニ本目と言うことで相当プレッシャーをかけられたとのこと。『犬猫』の夕焼けシーンのエピソードを著作の中であげられていたけれど(やわらかな文章に芯がある、すてきすぎる本です!)同じように「時間内で」と言われていらっしゃったようです。それを受けての金井さん「小説は紙とペンがあればいいから、お金もかかんないし人も使わないし、その点はラクよね」にも、わたしはジーンときたりしていました。


他にも、「大谷友右衛門=やじろべえ」発言や(お腹よじれちゃった)
「あの額の...」「東山千栄子」とか
『君と別れて』という映画の事とか(金井さん推薦 推薦する語り口の上手いこと)
ロメールの話や、『噂の女』の立ち上がり方、覗き方の話とか、沢山、沢山。


井口監督が20歳くらいの時、手伝った映画(『三月のライオン』でしょうか?)の打ち上げで観た映画が『驟雨』と『友だちの恋人』だった、というのも心に残るエピソードでした。


それにしても、観たことのない映画はいっぱいあるなーとつくづく思いました。周りの方が一斉にものすごい勢いでメモをとりはじめて、わたしの知らない映画の話でウンウン頷かれているのをみて、(わたしはマイペースというかノンビリタイプなので)ワワワッと圧倒され、己の不勉強さを呪いましたが、それは焦燥感にかられるようなものではなくてちょっとワクワクを伴ったものでした。最後に金井さんがおっしゃった「楽しんでみればいい」っていうのが本当に嬉しい一言だった。だって、わたしだって楽しいから映画観てるんだものなー。これからも楽しんで映画みよう!とウキウキ帰りました。(その後、中野のブリックに一人でよって一杯飲んで帰る、というようなアーバン遊戯をやってのけたことがこの日の大興奮を如実にあらわしている!トネリコのカウンター以外で一人で飲んだのはじめてだわ)