遠近法

1月15日

ハイソックスを履いて生きていた頃は、嫌いなことがあれば昼日中ひとり公園でお弁当食べてりゃよかったんだし、それを大人は慈愛に満ちた目で見たりして「ナントカ」などと勝手に名付けるわけだけど、今日、自分が同じ目をして「ナントカ」を見てしまったことに初めて気がついて、反動で電車を降りてしまった。そこで予期せぬ駅のベンチに座り、缶コーヒーを開けてフウッとか自己愛のしゃぼんだまみたいな息を吐いて生きていけるほど頭が悪くなかったことを祝福しながら1分後に来た電車に乗車した。でも「ガンバ!」って念を送ったのは本当です、駅で見つけた入試の下見に来ていた制服姿(制服に黒いタイツがかわいかったから多分北国在住)の女の子!大学に入ると5月連休明けくらいからしなくなるタイプのポニーテールがとても似合っていた。私の学校は耳より高い位置に髪の毛を結ぶことを固く禁じられていたので(理由はひみつ)ビジュアル系ファンの子達は指定バッグにでっかいリーゼを入れて放課後には思う存分ポニーしていた(前髪を細い櫛で散らすタイプ)私は指定バッグにでっかいプリングルスサワークリームオニオンの缶を入れて、カーテンの中に隠れながら一枚づつ食べる遊びを仲良し内で内々に流行らせた。明日にはしなくなる今日だけが最高潮の遊びを毎日発明して本気でふざけて心底楽しかったなと思えるようになったのは本当にここ最近のことだったから、それが近年の一番の良きことだったかもしれない。