差別しない

12月18日

中学の卒業アルバムの話をしていたら「飲みもの最終です」と言われたので、目の前に現れるタクシーのドアが自動に空くのがうれしいがために上機嫌で乗車したら車内は「その家のにおい」で満たされていた。
寒さのモードの中で北風が最も恐怖であるので、陰惨ながらもたのしい夜を築く前の小公女セーラが港でお父様を見送る前のコートにそっくりなのを手に入れたけれど、今年のモードはエルニーニョで、東京メトロの中で浮いている私はポカリスエットを飲んでいる。
とにかく「その家のにおい」が嫌いだし不安になるから、コートの布地がたっぷりととってあることがこれ幸いで鼻元を隠しながら窓の外を見れば靴が一足落ちていて、中学受験の時に通った塾で「今日の努力をおひさまだけは見ています。お疲れさまでした!!!」という塾講師が大嫌いだったことを思い出しつつ、川辺にそのへんの葉っぱを流したはいいけどそのあとどうなるんだろうと夕ご飯を食べながら妹と不安になっていたことなどを思い出し、抑圧に疲れていたことをもう一度認識するから、記憶を消したくて運動の力に頼ろうと腕の筋肉を集中させて一息に窓を開けるボタンを押したら「暖房入れてるんで」とたしなめられた。